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公開日アイコン 公開日 2025.06.05  更新日アイコン 更新日 2026.01.27

就労継続支援A型とB型の違いをわかりやすく解説

障がいのある方が、働くことを目指すうえで重要な選択肢となるのが就労継続支援A型とB型です。しかし、その違いについて十分に理解していない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、就労継続支援A型とB型の違いや特徴、利用の流れまで詳しく解説します。就労継続支援の利用を検討している方、支援に関わる方はぜひ参考にしてください。

株式会社TFFでは、就労継続支援の現場で利用者さんが毎日心を込めて育てた農作物を販売しています。

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  • 農作物をつくる利用者さんイメージ
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私たちの農園は、従業員と利用者さんが協力しながら働く“社会とのつながりの場”です。皆さまのご購入が、その喜びと挑戦を応援する力になります。

ぜひ、あなたの温かい応援をお願いいたします。

就労継続支援事業とは 

就労継続支援事業とは、障害者総合支援法に基づく福祉サービスです。一般企業等での就労が困難な障がいのある方に対して働く機会を提供し、生産活動を通して知識及び能力の向上に必要な訓練等を行います。

障がいのある方が地域社会で自立した生活を送るためには、働く経験も大切です。しかし、障がいの種類や程度によっては、すぐに一般企業で働くことが難しい場合もあるでしょう。

就労継続支援では、知的障害や精神障害、身体障害など、さまざまな障がいのある方が、それぞれの能力や適性に合った環境で働く場を提供しています。

また、個々の利用者の能力や課題に合わせて、必要な知識や技術を習得するためのサポートも行われます。たとえば、コミュニケーション能力向上のためのSST(ソーシャルスキルトレーニング)や体調管理など、必要に応じて就労に役立つアドバイスを受けることが可能です。

就労継続支援A型とB型の違い 

就労継続支援には、A型とB型の2つの形態があり、利用者の状況やニーズに合わせて選択できます。それぞれの違いを以下の表に示しました。

 就労継続支援A型就労継続支援B型
雇用形態雇用契約あり雇用契約なし
報酬原則として最低賃金以上の給与(労働時間に応じて支給)生産活動等による収益から工賃(実績に応じて支給)
対象年齢原則として65歳未満(例外あり)年齢制限なし
利用の目的一般就労への移行、または安定した就労の継続比較的軽作業、体力に不安のある方の社会参加・生活支援
働き方比較的安定した時間や日数での勤務個別支援計画に基づき、柔軟な時間・日数での利用

A型とB型それぞれの詳しい内容については、次項で解説します。

就労継続支援A型とは 

就労継続支援A型事業所は、「雇用契約」を結んだうえで就労の機会を提供する福祉サービスです。障がいのある方が能力や適性に応じて、一般就労に近い形で働くことを目的としています。A型事業所の特徴を、次の項目に沿って解説します。

● A型事業所の利用対象者
● A型事業所の仕事内容
● A型事業所の給与
● A型事業所の利用可能期間

それぞれ見ていきましょう。

関連記事:就労継続支援a型とは?仕事内容と利用対象者の条件も解説

A型事業所の利用対象者 

就労継続支援A型事業所のおもな利用対象者は、障害者総合支援法に定める障がいのある方のうち、以下の要件を満たす方とされています。

● 65歳未満
● 一般企業等での就労経験があるものの、現在雇用関係がない
● 特別支援学校等を卒業して就職活動を行ったものの、雇用に至らなかった

これらに加えて就労意欲があり、働く能力をある程度認められることが必要です。業務には、ある程度の作業遂行能力やコミュニケーション能力などが求められますが、具体的な基準は事業所によって異なります。

なお、65歳に達する前の5年間においてA型事業所を利用していた方であれば、例外的に利用が認められる場合もあります。

A型事業所の仕事内容 

就労継続支援A型事業所における仕事内容は多岐にわたり、利用者の能力や適性、事業所の特色によって大きく異なります。一般的な業務としては、以下があげられます。

● パソコンを使ったデータ入力や書類作成などの事務作業
● プログラミングやデザイン関連のパソコン業務
● 商品の梱包やピッキング、シール貼りなどの軽作業
● 喫茶店やレストランなどでの接客や調理補助
● 手工芸品の制作
● 園芸や農作業

なお、事業所によって提供している業務内容は異なります。利用者が社会参加や自立に向けたスキルを習得できるよう、多様な仕事を提供しているのが特徴です。利用者のスキルアップを目的に、資格取得支援や外部研修などを実施している場合もあります

A型事業所の給与 

就労継続支援A型事業所で働く場合、雇用契約が結ばれます。そのため労働基準法が適用され、原則として地域の最低賃金以上の給与が保障されるのが特徴です。

なお給与の具体的な金額は、利用者の労働時間や業務内容によって変動します。

給与体系は時給制が多く、日給制や月給制などを採用している場合もあります。就労条件については雇用契約書に記載されるため、事前に確認しておきましょう。

関連記事:就労継続支援A型の給料はいくら?平均額や生活できるか解説

A型事業所の利用可能期間 

A型事業所の利用について、明確な期間の定めはありません。つまり、利用者の状況やニーズに応じた利用が可能です。

ただし、A型事業所の目的は、一般就労への移行や、安定した就労の継続を支援することです。そのため、定期的に利用者の状況が評価され、一般就労への移行が可能と判断された場合には、一般企業への就労が推奨されます。

利用期間については、個々の状況に合わせて、事業所の職員や相談支援専門員と相談しながら決定していきます。

就労継続支援B型とは 

就労継続支援B型では雇用契約を結ばず、利用者一人ひとりのペースに合わせて働く場を提供しています。A型事業所と比べて、より柔軟な働き方ができるのが特徴です。次項から、以下の内容について詳しく解説していきます。

● B型事業所の利用対象者
● B型事業所の具体的な仕事内容
● B型事業所の給与
● B型事業所の利用可能期間

それぞれ確認していきましょう。

関連記事:就労継続支援a型とは?仕事内容と利用対象者の条件も解説

B型事業所の利用対象者 

対象者は、就労に関する課題があり、B型事業所の利用が適切と判断された方です。A型事業所と異なり、年齢制限はありません。

具体的には、以下のようなケースの方があげられます。

● 年齢や体力の面で一般企業への就職が困難
● 就労移行支援事業などを利用して就職活動を行ったものの、企業への就職に至らなかった
● 障がいにより、日常生活や就労に著しい制限がある

一般企業への就労に困難を抱えた方であり、A型のように雇用契約に則って働くことの難しい方が対象です。年齢にかかわらず、利用者の意欲と能力に応じて、活躍できる場を提供しています。

B型事業所の仕事内容 

B型は雇用契約が難しい方が対象であるため、A型と比較すると体力面での負担が少ない軽作業や、ご自身のペースに合わせて取り組める作業が多い傾向です。A型と同様、B型も事業所ごとに仕事内容が異なります。

具体的な仕事内容の例は、次のとおりです。

● 軽作業・手作業:シール貼りや部品の組み立て、梱包、袋詰め
● パソコン作業・事務補助:データ入力、書類作成の補助、簡単なデザイン作成
● 清掃業務:事業所内外の清掃、修繕作業

なお、事業所によって提供される仕事は異なります。見学や体験を通して、ご自身に合った仕事内容を見つけることが大切です。

B型事業所の給与 

就労継続支援B型事業所の工賃は、生産活動の収入から必要な経費を差し引いた額を、利用者の作業実績や貢献度に基づいて分配する仕組みです。そのため、給与は作業内容や時間、生産量などによって異なります。

厚生労働省の調査によると、令和5年度の平均工賃は23,053 円でした。なお、B型事業所は最低賃金の適用外ですが、月額3,000円以上というルールがあります。

B型事業所の利用可能期間 

A型と同様に、B型事業所においても利用可能期間が明確に定められているわけではありません。ただし、利用者の状況や希望は常に変化するため、B型事業所では定期的に利用状況の見直しが行われます。

就労支援B型は、将来的な一般就労へのステップアップや、生活スキルの維持・向上、社会参加の継続など、利用者一人ひとりの目標達成を目的とするサービスです。そのため、目標が達成されたと判断された場合や、ほかの適切なサービスへの移行が望ましいと判断された場合には、事業所との相談のうえで、利用を終えることがあります。

就労継続支援を利用する流れ 

就労継続支援の利用を開始するためには、以下のステップで準備を進める必要があります。

● 事業所を探す
● 選考を受ける
● 受給者証を発行して各自治体の福祉課窓口へ申請する

それぞれ確認していきましょう。

関連記事:就労継続支援b型の利用までの流れとは?

①事業所を探す 

まず、お住まいの市区町村の障害福祉課や相談支援事業所に相談し、就労継続支援に関する情報を収集します。気になる事業所が見つかったら、事前に連絡を取り、見学や体験利用を申し込みましょう。

事業所の雰囲気や作業内容、利用者の様子などを自分の目で確認しておくことが大切です。なお、A型事業所を利用する際は、ハローワークから紹介状を発行してもらう必要があります。

②選考を受ける 

事業所の求めるスキルとの適合性を判断するために、選考を行うことがあります。選考内容は、おもに以下のとおりです。

● 面接:利用希望者の就労意欲やコミュニケーション能力、障がいの状況、希望する働き方などを確認
● 書類選考:履歴書や職務経歴書、ハローワークの紹介状などの書類に基づいて本人の適性を判断
● 筆記試験・適性検査:簡単な計算問題や一般常識、作業に必要な基礎的な能力、性格傾向などを測るための試験の実施
● 実技試験・作業体験:実際に事業所で行われている作業の一部体験や、簡単な課題への取り組みにより、作業遂行能力や適性を評価

なおB型事業所では一般的に、A型に比べて厳格な選考が行われることは少ない傾向です。しかし、事業所の受け入れ体制や、利用希望者の障がいの状況、ほかの利用者との協調性などを確認するために、面談や体験利用などを通して、適性が判断される場合もあります。

③受給者証受給者証を発行して各自治体の福祉課窓口へ申請する 

就労継続支援の利用には、自治体から発行される「障害福祉サービス受給者証」が必要です。この受給者証には、対象となるサービスの種類や支給量、有効期間などが記載されており、就労継続支援が利用できる証明となります。

自治体による審査を経てサービスの利用が決定すると、受給者証が発行されます。利用開始の手続きの際に、利用を希望する事業所へ提示しましょう。

就労継続支援A型・B型のメリット・デメリット 

就労継続支援A型・B型のメリット・デメリットを、以下の表にまとめました。

 メリットデメリット
就労継続支援A型雇用契約を結ぶため、最低賃金以上の安定した収入に期待できる一般企業に近い環境で実践的な就労スキルやビジネスマナーを習得できる給与は一般雇用と比べて低い傾向にある仕事の種類が限られる一般企業に近い環境で就労するため、プレッシャーや負担を感じる場合がある
就労継続支援B型雇用契約を結ばないため、体調やペースに合わせて柔軟に利用しやすい比較的短い時間や日数で利用できる体力に不安がある方も利用しやすいA型に比べて一般就労に向けたサポートの充実度が低い雇用契約を結ばないため、最低賃金が保証されない負担の少ない業務や単純作業が中心であるため、スキルアップが難しい場合がある

一般的には、安定した収入や一般就労へのステップアップを目指すのであればA型、体調に不安がある方や自分のペースで社会参加したい場合は、B型が適しているでしょう。

利用を検討する際は、周囲の方と相談しながら、ご自身の状況や適性を踏まえて選択することが大切です。

就労移行支援や就労定着支援との違い 

就労継続支援事業と類似の支援サービスには、就労移行支援や就労定着支援があげられます。それぞれの違いは、以下のとおりです。

 就労移行支援就労定着支援
目的一般就労を希望する障がいのある方に対し、就職に必要な知識・スキル向上のための訓練や就職活動支援を行う一般就労に移行した障がいのある方が、職場に定着できるよう、継続的な相談や支援を行う
対象者一般企業等への就労を希望する18歳以上65歳未満の障がいのある方以下のいずれかの障害福祉サービスを利用して一般就労へ移行した方 就労移行支援就労継続支援A型就労継続支援B型生活介護自立訓練
おもな支援内容就職相談職業評価就職準備訓練就職活動支援定着に向けた初期の相談職場訪問本人や家族、事業所との連絡調整相談支援職場環境への助言
利用期間原則2年以内最長3年間

就労継続支援事業では、障がいのある方の状況や希望に応じて、働く場や社会参加の機会を提供し、就労に対して賃金が支払われます。一方、上記2つの支援においては、働く場や賃金は提供されません。

就労移行支援においては、一般企業への就職という目標達成に向けて、就職活動やスキル習得などの支援が提供されます。就労定着支援では、障害福祉サービスの利用後、一般就労に移行した方が、長く働き続けられるようサポートを行うのが特徴です。

まとめ 

就労継続支援A型とB型は、障がいのある方の社会参加を後押しする福祉サービスです。一般企業への就職が困難な障がいのある方にとって、社会とのつながりを保ち、働く喜びや達成感など、貴重な体験を積む機会になります。

A型とB型それぞれの特徴について理解することで、ご自身や支援する方にとって最適な選択肢を見つけられるでしょう。

岐阜県で就労継続支援のご利用をお考えではありませんか?岐阜市の就労継続支援A型・相談支援センターのTFFでは、自然の中で作物を育て、販売するお仕事を提供しています。心を込めて作ったお野菜をお客さまに届ける体験を通じて、働く喜びを実感してみませんか。ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

監修者の写真

小林 啓輔

株式会社TFF 顧問

《資格》

サービス管理責任者研修修了
社会福祉主事

《略歴》

福祉系大学卒業後、在宅介護支援センター(現包括支援センター)等の相談員業務に従事し、特別養護老人ホームの指定申請や人事関係に関与。その後有料老人ホームの施設長など高齢者福祉に携わり、その後サービス管理責任者として就労継続支援事業所やグループホームに従事。

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