公開日アイコン 公開日 2025.06.05  更新日アイコン 更新日 2026.02.10

就労継続支援B型の工賃とは?決め方や平均額を紹介

就労継続支援B型事業所では、障がいをもつ方が働いて工賃を得られます。工賃がどのように決められるのか、またその平均額はどの程度なのか気になる方も多いでしょう。工賃は事業所ごとに異なり、さまざまな要因によって変動します。

この記事では、就労継続支援B型の工賃の基本的な決め方や最低工賃の有無、工賃格差を解説します。

高い工賃を得るポイントと注意点にも触れるため、就労継続支援B型の利用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

株式会社TFFでは、就労継続支援の現場で利用者さんが毎日心を込めて育てた農作物を販売しています。

しいたけ、季節の野菜など、どれも丁寧に育て、収穫の喜びを皆で分かち合いながら作り上げたものです。

  • 農作物をつくる利用者さんイメージ
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また、ひなたぼっこ園で作られた椎茸や旬な野菜は道の駅やスーパーに出品させていただき、大きな反響がもらえるほど美味しい野菜となっております。安心の品質をオンラインでもお届けしています。

私たちの農園は、従業員と利用者さんが協力しながら働く“社会とのつながりの場”です。皆さまのご購入が、その喜びと挑戦を応援する力になります。

ぜひ、あなたの温かい応援をお願いいたします。

就労継続支援B型の工賃とは

就労継続支援B型事業所では障がいや難病をもつ方々が働いた対価として、工賃が支払われます。工賃は賃金とは異なるため注意が必要です。

ここでは、工賃に関する以下3つをお伝えします。

● 工賃の決め方
● 最低工賃・賃金はある?
● 就労継続支援B型の工賃格差について

それぞれ見ていきましょう。

関連記事:就労継続支援b型の利用までの流れとは?

関連記事:就労継続支援a型とは?仕事内容と利用対象者の条件も解説

工賃の決め方

就労継続支援B型事業所における工賃は、生産活動によって得た収益から必要な経費を差し引いた額を基に決定されます。

事業所ごとに「工賃規定」が設けられており、支払い方法や支給日、作業時間などが細かく定められています。支払い方法は月給制や日給制、時給制などがあり、事業所によってはこれらを組み合わせることも可能です。

また、特別手当や賞与が支給される場合もあり、これらは通常の工賃に追加で支払われます。事業所外での作業や特定の条件を満たす場合に適用されます。

最低工賃・賃金はある?

就労継続支援B型事業所では、利用者と雇用契約を結ばないため、最低賃金法の適用を受けません。しかし、事業所指定の要件として、利用者全体の平均工賃が月額3,000円以上であることが求められています。これは、事業所が障害福祉サービスを提供するための基準の1つで、利用者に対して一定水準の工賃を保証するためのものです。

この基準を達成することで事業所の信頼性や安定性を示すことにつながり、利用者も安心してサービスを利用できます。

出典:厚生労働省「 の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準」

就労継続支援B型の工賃格差について

工賃には事業所ごとの活動内容や経営方針により格差が生じます。収益性の高い活動を行っている事業所では、比較的高い工賃が支払われることが多いです。一方、収益の低い下請け作業が多い事業所では工賃が低くなる傾向があります。

以下に、収益と活動内容例をまとめました。

収益性の高い活動例収益性の低い活動例

● 自社製品の製造・販売

● オリジナル商品開発

● 高付加価値サービス(IT関連など) ● 市場ニーズに応じた新規事業開拓

● 単純な下請け作業

● 封入・封緘作業

● 単価の低い軽作業(袋詰めなど) ● 定型的な流れ作業

また、地域や業種によっても工賃に差が出ることがあり、利用者にとっては重要な選択基準となります。

就労継続支援B型の工賃の平均額は?

工賃は仕事内容や仕事量に応じて決まります。平均的な工賃は厚生労働省の令和5年の調査によると、月額15,159円です。

これは全国の最低賃金と比較するとかなり低い水準です。ここからは、就労継続支援B型の工賃が低い理由を解説します。

参考:厚生労働省「令和5年度工賃(賃金)の実績について」

就労継続支援B型の工賃が低い理由

就労継続支援B型の工賃が低い理由には、以下の3つがあげられます。

● 労働関連法令が適用されない
● 支援の必要性が高い人も多い
● 収益の低い下請け作業が多い

それぞれ見ていきましょう。

労働関連法令が適用されない

就労継続支援B型事業所では事業者と利用者が雇用契約を結びません。そのため、利用者は「労働者」としての法的保護の対象外です。

労働関連法令とは、労働基準法最低賃金法などを指します。この法律は、労働時間や賃金の最低基準を定めており、労働者の権利を保護するのが目的です。

これらの法令が適用されないため、利用者の工賃が最低賃金を下回ることが多く、賃金が安くなる理由の1つとなっています。法的な最低基準がないため、工賃は事業所の収益や経営方針に大きく依存します

支援の必要性が高い人も多い

就労継続支援B型事業所は、一般企業で働くことが難しい方が、就労の機会や訓練のために利用しています。多くの人が障がいの程度によって作業面だけでなく、生活リズムや人間関係の面でも支援が必要です。そのため、利用者には個別のサポートが求められ、作業効率が悪くなる傾向があります。

工賃を上げるためには、作業量を増加したり、難易度の高い作業に取り組んだりしなければなりませんが、利用者にとって負担になりがちです。作業量の増加は身体的、精神的に影響が大きく、結果として作業効率が下がってしまいます。

そのため、利用者の能力やペースに合わせた支援が優先されることが多く、工賃が低く抑えられる傾向があります

収益の低い下請け作業が多い

多くの事業所では、外部業者から低単価の下請け作業を受託しています。これらの作業は単価が低く、交渉による値上げも難しいため、収益が上がりにくいです。

そのため、厚生労働省は、工賃向上を目指すさまざまな取り組みを進めています。以下に内容と詳細をまとめました。

取り組み内容詳細
地域企業との協力推進自治体と連携し、高付加価値の作業を受託する機会の創出
公共発注の推奨自治体による物品購入や清掃、印刷業務を障がい者施設に発注
技術・マーケティング支援オリジナル商品の開発・販売に向けた技術支援や市場開拓支援
事業所間の情報共有促進成功事例やノウハウを共有し、事業所全体の工賃向上を支援

これらの取り組みにより、就労継続支援B型事業所の工賃向上を図り、利用者がより良い条件で働ける環境を整備しています。

参考:厚生労働省「就労継続支援事業所における工賃・賃金の 向上に関する事例集&ワークブック

工賃が高い就労継続支援B型事業所にはデメリットもある

高い工賃を得るためには、利用者に高い生産性を求められることがあり、作業内容が複雑で職員も利用者も疲弊しがちです。

また、事業所がビジネスとしての側面を強調することで、福祉支援の質が低下する可能性があります。一般就労に近い作業をしているにも関わらず、工賃しか受け取れないことに不満を感じることもあるでしょう。

このようなデメリットを避けるためには、事業所の雰囲気や職員との相性、作業内容が自分に合っているかをよく検討してください。無理なく働ける環境を選ぶことが重要です。

就労継続支援B型で高い工賃を貰うためのポイント

工賃を上げるには、生産活動の内容や事業所の方針、提供されるサービスに注目することが必要です。ここでは、高い工賃を得るための4つのポイントを紹介します。

● ポイント①事業所の目標や工賃に対する意識に着目する
● ポイント②高単価な作業を取り入れている事業所を探す
● ポイント③各種サービスに注目する
● ポイント④体調が良ければフルタイムで働く

それぞれ見ていきましょう。

ポイント①事業所の目標や工賃に対する意識に着目する

工賃向上を目指す事業所は、生産活動に積極的に取り組み、利用者に適切な報酬を提供しようと試みています。たとえば、ウェルフェアトレードを実践している事業所では、適正な価格で販売する姿勢があります。

ウェルフェアトレードとは、障がい者や社会的に支援が必要な方が製作した商品を適正な価格で販売し、労働を正当に評価する仕組みです。

この取り組みでは、障がい者の仕事に対して偏見をもたず、その価値を認めることで、彼らの社会参加を支援しています。このような取り組みをしている事業所を選ぶことで、より高い工賃を得られるでしょう。

ポイント②高単価な作業を取り入れている事業所を探す

工賃は作業内容によって大きく変わります。高単価な作業を採り入れている事業所では、利用者が得られる工賃も高くなる傾向があります。

たとえば、クリーニングやパン製造などは比較的工賃が高い作業です。自社製品や施設外就労に取り組む事業所も、高い工賃を提供する可能性があります。これらの作業を行っている事業所を探すことがポイントです。以下に探し方をまとめました。

● 地域の福祉事務所や相談支援事業所に問い合わせて情報を収集する
● 地域の就労継続支援B型事業所を検索し、ホームページや口コミを参考にする
● 直接事業所を訪問して見学し、作業内容を実際に確認する
● 周囲の保護者や友人からおすすめの事業所を紹介してもらう

これらの方法を活用して、より高い工賃を得られる事業所を見つけましょう。

関連記事:相談支援事業所の選び方とは?利用の流れや変更時の注意点も解説

ポイント③各種サービスに注目する

事業所によって、食事の提供や送迎サービスなど、利用者の負担を軽減するサービスを提供している場合があります。これらのサービスは、生活費を抑えるのに役立ちます。

また、事業所で身に付けられるスキルも重要なポイントです。たとえば、プログラミングなどのITスキルを学びながら業務に取り組めたら、習得したスキルで将来的な就職やキャリアアップが期待できます。

専門スキルは労働市場での価値を高める強みとなり、長期的に見れば工賃以上の経済的利益をもたらす可能性があります。工賃だけでなく、提供されるスキルやサービスの内容にも注目することが重要です。

ポイント④体調が良ければフルタイムで働く

就労継続支援B型事業所での勤務時間は、通常1日あたり2~4時間程度ですが、体調が良ければ勤務時間を増やすことで工賃を増やすことが可能です。時給制や日給制の事業所では、働く時間を増やすほど工賃が増えるため、フルタイム勤務を検討してみると良いでしょう。

働き方をフレキシブルに調整しやすい事業所であれば、自身の体調に合わせた勤務時間の設定が可能です。これにより、無理なく働ける範囲で、体調を崩さないように勤務パターンを計画できます。

事業所を選ぶ際には、勤務時間の柔軟性やサポート体制が整っているかを確認することが重要です。これにより、工賃を最大限に得ながら、安心して働けるでしょう。

就労継続支援B型を利用する際に知っておきたいこと

就労継続支援B型を利用する際には、工賃収入や利用料金に関して知っておくべきポイントがあります。ここでは、知っておくべき2つの情報を解説します。

● 工賃収入が103万円までの方は確定申告が不要
● 就労継続支援B型を利用する際には利用料金が発生する

詳しく見ていきましょう。

工賃収入が103万円までの方は確定申告が不要

就労継続支援B型で得た工賃は所得税の対象となる場合がありますが、年間の工賃収入が103万円以下であれば、確定申告は不要です。この基準は「家内労働者等の必要経費の特例」により、55万円までの必要経費が認められるためです。

たとえば、年間の工賃が103万円の場合、必要経費を差し引いた48万円が所得となり、さらに基礎控除を適用することで課税対象額がゼロになります。これにより、確定申告をする必要なく、利用者は工賃を安心して受け取れます。

参考:国税庁「No.1810 家内労働者等の必要経費の特例」

就労継続支援B型を利用する際には利用料金が発生する

就労継続支援B型の利用料金は、前年度の世帯収入に応じて決定されるため、所得により自己負担額が異なります。

生活保護受給世帯や低所得者の場合、利用料は無料となることが一般的ですが、一定の収入がある場合は自己負担額が発生します

利用料の負担上限額は世帯の収入状況に応じて設定されており、多くの利用者が負担額ゼロです。利用料によって工賃がマイナスになる心配はほぼありませんが、事前に料金を確認し、安心してサービスを利用できるよう確認しておきましょう。

まとめ

就労継続支援B型事業所を利用することで、障がいをもつ方々はさまざまな職種にチャレンジし、工賃を得ながらスキルを磨けます。

岐阜市の就労継続支援A型・相談支援センターのTFFでは、岐阜県山県市にて就労継続支援A型事業所「ひなたぼっこ園」を運営しています。

野菜づくりを中心とした農業を通じて、働くよろこびを実感できる環境を提供し、障がいのある方の自立をサポート。一人ひとりに寄り添った丁寧な支援を行っています。
就労に関するご相談は、どうぞお気軽にお問い合わせください。

岐阜県岐阜市で「自分のペース」を大切にできる就労継続支援B型

「体調が安定せず、毎日通えるか不安」「まずは短い時間から社会復帰を目指したい」。

岐阜県岐阜市周辺でそのようなお悩みをお持ちの方は、株式会社TFFの就労継続支援B型「ひなたぼっこ園」へご相談ください。雇用契約を結ばないB型事業所なので、年齢や体力を気にせず、ご自身のペースに合わせて無理なく利用をスタートできます。

焦る必要はありません。自然の中で土に触れ、少しずつ生活のリズムを整えていきましょう。

TFFの就労継続支援B型の強みと特徴

  • 柔軟なスケジュール調整:週1回や短時間の利用から始められます。体調が良い時は少し長く、辛い時は休むなど、相談しながら進められます。
  • 自然を感じる作業:屋内での軽作業だけでなく、太陽の下での農作業も行います。開放的な環境で体を動かすことは、心身のリフレッシュにつながります。
  • 一人じゃない安心感:スタッフも利用者様も「一緒、懸命。」に汗を流すのがTFFのスタイル。困ったときはすぐに相談できる温かい環境です。

「ここなら通えそう」。そう思っていただける場所を目指しています。まずは見学で、ゆったりとした雰囲気を感じてください。

お問い合わせはこちら(無料相談・見学予約)

ゆっくり丁寧に育てた「優しさ」が詰まった農作物

TFFのオンラインショップでは、ひなたぼっこ園の利用者様が自分のペースで、一つひとつ丁寧に育てた「肉厚椎茸」や季節の野菜を販売しています。

手間ひまかけて育てられた農作物は、味の深みが違います。皆様の「美味しい」という声が、利用者様の自信と次のステップへの力になります。

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この記事の監修者

監修者の写真

小林 啓輔

株式会社TFF 顧問

《資格》

サービス管理責任者研修修了
社会福祉主事

《略歴》

福祉系大学卒業後、在宅介護支援センター(現包括支援センター)等の相談員業務に従事し、特別養護老人ホームの指定申請や人事関係に関与。その後有料老人ホームの施設長など高齢者福祉に携わり、その後サービス管理責任者として就労継続支援事業所やグループホームに従事。

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